2012年11月25日

【ArtFM 蕗谷虹児記念館「虹児 少女誌と絵本の美しきヒロイン達」(新潟県新発田市) 福島潟(新潟県新潟市)】

新潟県新発田市の蕗谷虹児記念館へ行った。

内井昭蔵氏設計の建屋、
教会っぽさが神聖にも可愛くも映る。

作品は夢二と並ぶ女性画で、
時に流れる女性と
時の止まった母が見える。

素直に現れるオイディプスコンプレックスと
作品を好む三島由紀夫の言葉に、
"少女"で纏まらない深さを感じた。

/アートツアラースグル
 外観です。教会風建屋で、中身は東方正教会風です。

 外観で特に目を引くのは、この屋根。銅板が敷き詰められています。ものすごく稀に町中で銅板建築を見かけますが、まさか美術館で見るとは思いませんでした。

 館の裏側です。

 ちょっと巨神兵にも見えます。私だけかもしれませんが。

 蕗谷虹児「薔薇と少女」です。(※当画像はネットより拝借)
 私が言う"時に流れる女性"が、こういった作品に現れています。時代に沿った、もしくは少々先を行く、艶ある女性です。

 蕗谷虹児(ふきやこうじ)「花嫁」です。(※当画像はネットより拝借)
 「薔薇と少女」に対して古風な感じがします。この画は、虹児13歳の時に28歳で亡くなった母親の面影を描いたものです。理想の女性像というか、あえて古風というか。。特別であることは間違いなく、恋さえ感じさせます。オイディプスコンプレックス(エディプスコンプレックス)とはどこにも書いていませんが、私にはそう思えました。
 これは、遺稿の初めに綴られた言葉、「あんなに弱々しかった母に三人も男の子を産ませた父がうらめしかった」というのを見て、益々そう思いました。多分、女としての艶は自分の中だけのものなのでしょう。

 ちなみに、三島由紀夫の言葉とは「心の中 深く秘めた 美の幻」 というもので、あわせて、
・はかない美しさ ・憂愁 ・時代遅れの気品 ・うつろいやすい清純 ・この世への拒絶 
とも書かれています。

 蕗谷虹児作品は浮世絵と漫画の間とか言われますが、よくよく見ていると、もっと深さがあるなぁと思いました。

 蕗谷虹児「わがATELIER」です。(※当画像はネットより拝借)
 今回の展示作品ではなかったのですが、ハガキとして見て、すごぉく惹かれました。アール・ヌーヴォーなデザインに、ちょっと大人びた着物の少女。ビアズリーっぽさも感じますよね。
 蕗谷虹児といえばカラーの少女画ですが、こちらのような白黒のペン画も結構あるそうです。蕗谷虹児の好奇心の強さを感じました。
 ちなみに、2011年10月2日から半年ほど、こちらのようなペン画の作品を集めた展覧会が開催されるそうです。是非に再訪させて頂こうと思っています。

 全く関係ありませんが、こちらは館から見た近くのマンションの写真です。チサンマンション新発田はいいのですが・・・「ち」。やっちゃいましたね(笑)。

 以下、当館より車で20分少々のところにある、新潟の名所、「福島潟」で撮った写真です。



 なんでもない風景なのですが、なぜか惹かれます。

 秋ですねぇ。大変敏感な方なので、撮ることが難しかったです。

 福島潟の一部は「オニバス」の群生地です。オオオニバスではないので子供も乗ることはできないでしょうが、私の今までに見てきた蓮に比べ大変大きいことは間違いありません。



957-0053
新潟県新発田市中央町4丁目11番7号
TEL/FAX:0254-23-1013
【開館時間】
9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
月曜日(祝日の場合翌日)
12/29~1/3
JR新発田駅より徒歩15分

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