閑静な住宅街に位置する当館、
当館の趣きが地域を更に上質にする。
館は茶道一色で、
茶碗・掛軸・香合などが並び、
広い庭園、茶室の有合庵・南山寿荘が待ち受ける。
茶室の当日非公開と雨天には少々気落ちしたが、
橋本雅邦、川合玉堂の掛軸等、
展示の逸品には心が晴れた。
/スグル
昭和美術館の本館です。大きな邸宅の立ち並ぶ閑静な住宅街の中にあります。駅からは徒歩15分ほどなのですが、起伏が激しく、重い荷物を持っている場合はつらいです。まぁおかげで、到着しただけでうれしさを感じたんですけどね。
当日は雨。この写真をとる時はたまたま雨はあがっていたのですが、あとは傘を片手に撮影したり、屋根のある場所だけで撮影したりしました。雨の日には雨の日なりの面白さがあるとは思っているんですけど、正直ちょっと大変でした。
本館の裏側は庭園です。散策が可能で、大きな池を中心に、自然な起伏を感じる道が続きます。
当館の主要施設の1つ、書院及び茶室の「南山寿荘( なんざんじゅそう )」です。 尾張藩家老、渡辺規綱の別邸の一部で、移築されて当館に立ちます。中には愛知県文化財の「捻駕籠の席(ねじりかごのせき)」などがあるのですが、入ることはできませんでした。Webサイトによると、1週間前くらいに事前予約すれば見学できるそうです。
庭園といえば、枯山水のような庭を思い浮かべる方も多いでしょうが、当館の庭園の雰囲気は野山といった感じです。よくある、手入れが行き届いてる!という庭園ではありません。イングリッシュガーデンを和風にしたらこうなるのかもしれませんね。
木村清兵衛(きむらせいべい)作「腰掛待合(こしかけまちあい)」です。「南山寿荘」と、茶室「有合庵(うごうあん)」の間にあります。
当館の所蔵品ではありませんが、川合玉堂の掛軸です。私が拝見した展示品群の画像が全く見つからなかったため、参考画像として載せました。
当館の所蔵の多くは茶道に関するもので、総数約1300点中、8割を占めます。私が訪問した際も展示のほとんどが茶道関連で、楽旦入「楽一双茶碗」、伝 紀貫之の掛軸「亀山切」、近衛文麿の茶杓「住の江」などの知られた作者の品をはじめ、湯浅華暁「桐竹蒔絵雪吹茶入」などなど、見るに楽しい作品がいくつもありました。
作品の収集は当館の設立者である、故 後藤幸三氏によるものです。明治末から大正にかけて旧大名家が手放した美術工芸品のオークションが盛んに行われたのですが、その会場によく足を運んでいらっしゃったそうです。私も一度、現代のオークションにお邪魔したことがあるのですが、飛び交うお金は10万、100万、1000万、独特の雰囲気に心熱くなりました。お気に入りの作品への入札、いつかはしてみたいですね。
ちなみに、鶴に松が描かれた めでたくも自然に見えるこの作品には、大きな間違いが1つあります。それは、鶴が松の枝にのっていることです。鶴は離陸に助走を要する鳥でして、枝に乗ることは基本的にありません。これは、ジャンボ機がビルの上のヘリポートに乗るに等しいことです。では、このイメージを与えた鳥は何なのでしょうか。それは、コウノトリです。鶴によく似ていますが、飛び立つ際に助走を必要としません。きっと誰かが、コウノトリが樹の枝に立つのを見て鶴と勘違いし、それが広まったんでしょうね。
【昭和美術館】
〒466-0837
・愛知県名古屋市昭和区汐見町4−1 【map】
・TEL:052-832-5851
【開館時間】
・10:00~16:30(最終入館は16:00まで)
【休館日】
・火曜日(祝日を除く)
・その他指定日
※詳細はカレンダーを確認
【入館料】
・600円(一般)
・500円(学生)
【アクセス】
・名古屋市営地下鉄 鶴舞線「いりなか駅」下車、徒歩13分
※googleマップ上では徒歩10分、私の実測で徒歩15分といったところです。閑静な住宅街ながら、道程はかなり起伏が激しいので、重い荷物を持っている場合には余分を見たほうがいいでしょう。近くにバス停もあるらしいので、利用してもいいかもしれません。
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