戦国の世の城下町に位置する当館、
築160年、美術館として日本最古の建屋を持つ。
展示は主にガラス器・陶器で、
ガレから切子、紅志野と幅広い。
次々現れる魅惑の作品にかじりつきつつ、
部屋それぞれの窓が生け取る景色に悶絶した。
/アートツアラースグル
黒壁美術館です。築160年の江戸後期の建物で、日本の美術館中、最古の建屋です。職員さんに伺ったところ、現在の運営母体は第3セクターの株式会社ですが、30年前まで醤油の製造販売が行われていた場所との事でした。
展示の中心はガラス器と陶器です。ガラス器は、アール・ヌーヴォー、アール・デコはもちろん、切子まで展示されています。ちなみにこちらの作品はヨハン・レッツ・ヴィトゥヴェのテーブルランプスタンドです。お恥ずかしくも存じあげない方でしたが、大変怪しく魅力的な作品でした。
J&L. ロブマイヤー「エナメル彩装飾皿」です。Wikipediaによると、1823年創業の現存する企業だそうです。
当館の所蔵品はガラス器・陶器などで、それぞれに大変な魅力があります。加えて、当館には築160年の建屋の魅力と、窓が生け取る景色の魅力があります。他に訪れていた方々は、紅葉を多少見るものの窓を眺めることはせず作品だけを眺めていましたが、これほど見事な景色、逃す手はありません。大きな美術館ではないので作品を見るだけなら所要時間30分~1時間といったところですが、私は3時間半も過ごしてしまいました。それほどの景色です。
(おそらく)本間友幸「紅志野茶盌」です。この建屋のこの雰囲気で眺める、別素材を思わせる造形の紅志野。至福です。
本間友幸「紅志野しのぎ水指」です。お茶を始めたいなぁと思わされます。見る楽しさに、用の美を加えたいものです。
J&L.ロブマイヤー「インド風花器」です。和の席でも凄く映えそうですよね。
当館の建屋には多くの部屋があり、それぞれに窓があります。眺める風景はどれもこれも逸品です。部屋を移るたび、身体が仰け反るほどの感動を得ていました。
野村陽子「ミズバショウ」です。展示の主はガラス器・陶器ながら、ところどころに野村陽子さんの植物画(ボタニカルアートといいます)が展示されています。
野村陽子「ホオヅキ」です。
2階です。この景色、いかがですか?
「ガラスの砂時計」です。
切子も展示されています。
「ヒストリスム豪華ポカール」の一部です。
ん?それってなに?という名前ですが、私の大好きな称徳天皇・道鏡の百万塔陀羅尼に似ているなぁと思い、載せてみました。百万塔、そして称徳天皇・道鏡については、リンク先のコメント欄をご覧下さい。
鈴木靖将(すずきやすまさ)さんの襖絵です。
近江の悲しいような酷いような伝説、「比良八荒(ひらはっこう)」が描かれています。職員さんに伺ったところ、約20年前のオープニングパーティーの席で、鈴木靖将さんが約2時間で描いたものだそうです。ちなみに、鈴木靖将さんは日本画家 三橋節子さんの旦那様です。
土間からちょっと外を眺めると・・これまたいい感じです。
蔵の前で撮影しました。蔵も展示室の1つです。
蔵の中です。企画展として、本間友幸さんの作品が展示されていました。
本間友幸さんの薔薇貫入の作品です。驚いた事に、本当に薔薇が咲いているかのような貫入があります。初めて拝見しました。どうやってこの貫入を生み出しているのでしょう??使い込んでいくとどう育つのかも興味がわきました。
薔薇貫入の拡大です。分かりますか?この薔薇具合。
〒526-0059
・滋賀県長浜市元浜町11-23 【map】
・TEL: 0749-62-6364
【開館時間】
・10:00~17:00(入館は16:30まで)
※企画展次第だと思われます。
【休館日】
※Webサイトに記述がありません。基本的には無休のようですが、企画展次第のようです。詳しくは電話で問い合わせ下さい。
【入館料】
・600円(大人)
・JR北陸本線 長浜駅より徒歩7分
※実際歩いてそんなところ(徒歩10分以内)です。観光地なので魅力的なお店が多々あり、少々歩みは遅くなってしまいます。
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