2013年7月8日

【ArtFM 神戸ファッション美術館, 神戸ゆかりの美術館 (兵庫県神戸市)】

兵庫県の神戸ファッション美術館へ行った。

駅の眼の前、存在感ある当館、
ファッションというよりSFな外観を持つ。

見たのは常設の歴史的服飾や特別展の三代澤本寿の型絵染で、
ファッション都市の片鱗に触れる事ができる。

特にダヴィッド「ナポレオン戴冠式」の豪華正装復元には、
美しさ以上に強烈な財力と権力を感じた。

/スグル
 神戸ファッション美術館、そして、神戸ゆかりの美術館の建屋です。この円盤の下に両館が隣りあって存在します。エントランスを共有するので1つの美術館の別展示室に思えるのですが、全く別の美術館だそうです。確かに展示内容は、ファッション・繊維専門に、絵画・彫刻などの一般芸術と、別の展示がなされています。
 今回のレポートでは神戸ファッション美術館のみを取り上げ、コメントで神戸ゆかりの美術館に触れることにしました。理由は、特に惹かれた突々和夫さん(とつとつかずお)や、小出卓二(こいでたくじ)さんの画像が見つからず、説明がしにくかったためです。また得た際にはレポートします。

 違う角度からの写真です。が、一緒。どこから見ても円盤が迫ってきます。

 SFっぽいとレポートに書きましたが、文字数に余裕があれば「エンタープライズ号のよう」と書こうとしていました。そのままですよね。設計なさった方の脳裏にスタートレックがあったと思うのは私だけではないと思います。

 三代澤本寿(みよさわもとじゅ)の型絵染(かたえぞめ)の屏風「潮」です(※当画像はネットより拝借)。
 作家や作品の説明をほとんど読まずに作品を見始める私にとって、連想は作品を楽しむ一手段です。今回もその楽しみを始めたわけですが、私の大好きな芹沢けい介の雰囲気が即伝わってきました。聞くところによると、芹沢けい介がお師匠さんだそうです。そりゃ即感じるわけですね。
 芹沢けい介の技法は紅型(びんがた)で、三代澤本寿も同じです。ただ、描くデザインが違います。芹沢けい介は基本的に和をモチーフとしますが、三代澤本寿は異国です。この「潮」にも、アフリカ・東南アジアや、北米のファーストネーションっぽさがあります。そこに、伝統技法の型絵染の景色や、筆のような太さの大きな変化、屏風としての楽しさがあるので尚更面白さがあるわけです。いやぁ楽しいなぁ。
 それにしても、芹沢けい介は凄いですね。弟子である今回の三代澤本寿さんに、以前に拝見した渡辺禎雄(わたなべさだお)さん。それぞれ芹沢けい介の技法を大切にしながらも独自の世界を創っていらっしゃいます。大切なことは伝え個性は伸ばす、まるでモローのようです。本当に偉大な方なんだなぁと思いました。

 神戸ファッション美術館の名物、ナポレオンによる戴冠式の正装の復元です(※当画像はネットより拝借)。
 まず、この作品の元になった「ナポレオン戴冠式」とはなんぞや?というと、画家ダヴィッドによって描かれた大型の絵画「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」を指します。ダヴィッド「ナポレオン戴冠式」の画像 を参照下さい。
 この作品は、「ナポレオンの戴冠式」を「ナポレオンによるジョセフィーヌへの戴冠式」に置き換えて描いたものです。教皇を脇役として描くにとどまらず、ナポレオンがローマ皇帝か神かのように描かれています。当然、描かれる服飾はえげつないもので、「超」豪華です。が、当館ではそれを復元してしまっています。いやぁすごいですね。
 この作品は、肌触りが極上の毛布のような品です。当然に美しいのですが、どちらかと言えば、権力や財力をより強く感じさせられます。ベッドの毛布をそのまま引きずって出てきたような感じもあり、包まれる心地よささえ想像させます。これが当時の権力者に求められた姿なのだなぁと思いました。

 中右瑛(なかうえい)「シェリト・リンド ビューティー」(※当画像はネットより拝借)。神戸ゆかりの美術館の展示品の1つです。伺った際は企画展「BLUE」の期間中で、こういった抽象画が主でしたが、神戸な作家さんによる神戸な風景画なども多く所蔵されている様子でした。
 私が大変惹かれたのは、突々和夫さん(とつとつかずお)さんです。神戸の風景を描いていらっしゃいます。私は兵庫を第二のふるさととしていますが、中でも神戸は育ての親のような存在で、愛着たっぷりです。突々和夫さんの作品には、その神戸の魅力が詰まっていました。

 さて、電車です。実家よりJR神戸線に乗り、住吉へ向かいました。

 住吉からは六甲ライナーです。目的地は「アイランドセンター駅」。わずか10分ほどで着きます。

 この写真の左のちょっと奥がアイランドセンター駅で、右の円盤が神戸ファッション美術館と神戸ゆかりの美術館の建屋です。駅の目の前にあります。迷うのが困難です。

【神戸ファッション美術館】
〒658-0032
・神戸市東灘区向洋町中2-9-1 【map】
・TEL 078-858-0050
【開館時間】
・10:00~18:00(入館は17:30まで)
【休館日】
・水曜日(祝日の場合は開館。翌日休館)
・年末年始(12/29~1/3)
【入館料】
・500円(一般)
※当館へ入館の方は「神戸ゆかりの美術館」を無料で観覧可能。
※特別展示とベーシック展示の両方を見ることができます。
(余談ですが、他館においては「常設展」とか「コレクション展」と表現するところを、当館では「ベーシック展示」と呼んでいます。面白いですね。)
【アクセス】
・六甲ライナー「アイランドセンター駅」下車 南東すぐ

【神戸ゆかりの美術館】
〒658-0032
・神戸市東灘区向洋町中2-9-1 (神戸ファッション美術館1F) 【map】
・TEL: 078-858-1520(代表)
【開館時間】
・10:00~18:00(入館は17:30まで)
【休館日】
・水曜日(祝日の場合は翌日)
・年末年始(12/29~1/3)
※開館時間、休館日は臨時に変更する場合があります。
【入館料】
・200円(一般)
【アクセス】
・六甲ライナー「アイランドセンター駅」下車 南東すぐ

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