神戸元町、旧居留地近くの当館、
外観は小さく可愛らしい。
展示はアンティークドールとオートマータで、
セピアなフランスが漂っている。
企画展、ミュシャ画の紙幣に物欲が湧きつつも、
ドールの持つ触れたくなる肌と、
交わさぬ視線・通う心に、かすかに宿る命を感じた。
/スグル
神戸ドールミュージアムの建屋です。元町駅すぐ近く、神戸大丸に行くまでの間にあります。私にとってこの近辺は元々庭で、学生時代から何度も何度も何度もこの前を歩いていました。なのに、東京に移り住んだ今になって初めての訪問。失礼をしてきたものだなぁと思います。
1階がショップ、2階と3階が美術館です。"プチミュージアム"と館内に書かれている通り大きさは小さく、入ってすぐはドールを扱うショップにしか見えないでしょう。しかし、美術館に収まる数多くのドールは、館長のご両親が30年以上かけて収集したものだそうで、貴重さと熱意が伝わってくるものです。入ってすぐのショップなイメージは、美術館を眺めた後にきっと変わることでしょう。
展示品の1つ、パニエーのビスクドールです(※当画像はネットより拝借)。
ビスクとは「素焼きしたあと釉薬がかけられ、その釉薬が完全に溶ける前に窯から出された艶消しの磁器(引用:美術館Webサイト)」の事で、人の肌に近い質感があるものです。頭部と身体がそのビスク製となっています。色も焼き付けです。以前に他の館で拝見した時も今回も、まさか焼物で、色も焼き付けられているとは思いもしませんでした。その材質的に割れてしまう事も、質感に影響しているのだなぁと思います。
こちらは、他の館(ルーブル彫刻美術館)に訪問した際に撮影した、1890年フランス製のジュモー作ビスクドールです。触れたくなる肌の質感、アーモンドのような形をした澄んだ瞳、衣装の見事さ、伝わりますでしょうか。作者のジュモーや歴代の所有者、そして彼女自身の気持ちを感じます。瞳は一方向を向いているので私が動かぬ限り視線が合うことはないのですが、彼女の心はこちらを向いていると思いました(勘違い男?いえいえ、恋愛的意味ではありません。)。この気持ちは、当館において作品を拝見した時と同じです。おそらくは、共感の力を働かしつつも、喜怒哀楽の明確な表情があるわけではないため、自身の経験や感情を多分に反映させているのだと思います。
当館の看板作品、オートマータのヴィシィー作「タバコを吸うダンディー・ルネー」です(※当画像はネットより拝借)。
オートマータとは自動人形の事で、「18~19世紀の「時計技師」たちによって生み出された機械仕掛けの芸術品(Webサイトより)」です。「オルゴールを奏でながらの繊細な動きが、私たちを愉しませてくれます(Webサイトより)」。古く貴重なものながら、手入れがちゃんとなされており、今でも動きます。このオートマータが10体近く展示されていました。
大きさは案外大きく、50cm以上あります。日本のからくり人形のような感じではありません。広告・集客用とのことなので、目立つ存在として造られているのだと思います。まぁ確かに、目立ったであろうなぁという事は、見かけからだけでも感じることができますよね。
こちらはミュシャがデザインしたチェコスロバキアの10コルナ紙幣です(※当画像はネットより拝借)。ミュシャの娘がモデルに描かれています。使われていたのは第二次世界大戦終了頃までで、残念ながら現在は流通していません。
私が訪問した際は、企画展「アルフォンス・ミュシャのグラフィック展」が開催されており、ポスター等の作品とともに、当紙幣が展示されていました。いやぁ欲しいです。
こちらは50コルナ紙幣です。ミュシャですねぇ。いいですねぇ(※当画像はネットより拝借)。
ミュシャについては、こちらのリンク先をご覧下さい。
【神戸ドールミュージアム】
〒650-0021
・神戸市中央区三宮町3-1-17 【map】
・TEL:078-327-4680
【開館時間】
・10:00~18:00
【休館日】
・毎週水曜日(祝日の場合は開館・翌日休み)
・年末年始
【入館料】
・500円
【アクセス】
・元町駅東口から徒歩約5分
・三ノ宮駅西口から徒歩約13分
※元町駅から徒歩すぐです。
※当館より徒歩すぐに南京町(中華街)があります。横浜中華街に比べ、全体の規模は小さいながらも屋台が多く楽しめる場所です。
※加えて言えば、喫茶店・チーズケーキ屋「観音屋(元町本店)」も徒歩近くです。スポンジの上に生なチーズが載るという特殊なチーズケーキを頂くことができます。私はかなり好きで、学生時代は事あるごとにお邪魔していました。
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