2012年8月6日

【ArtFM 豊田市美術館「ジェームズ・アンソール -写実と幻想の系譜-」(愛知県豊田市)】

愛知県の豊田市美術館へ行った。

設計は線と面が印象的な谷口吉生氏。
いつものモノリス感を超え、
文明遺跡にさえ感じさせる。

展覧会は「ジェームズ・アンソール」。
回顧展だ。

"仮面"への変遷が海外の優れた収蔵品で示されるも、
メナード美術館の「仮面の中の自画像」が私を離さない。

日本を羨む世界の姿が見えた。

/アートツアラースグル
 豊田市美術館の外観です。ローマの水道橋のように見えてきます。ですがそれは、「文明遺跡に見える」と言った理由のひとつではありますが全てではありません。遠い未来の人々に過去に優れた文明があったことを示せるような気がして書きました。

 こちらも豊田市美術館の外観です。う~ん、いい。時間や天気を色々とずらして撮りたく思いました。


 美術館に入ってすぐの階段です。 

 豊田市美術館内の通路です。まんまアート。かっこよくってたまりません。

 展示室です。 

 フォンタナ「空間概念」です。
 フォンタナといえば、多くの作品に「切れ味のいい」微妙なカーブの切れ目を持ちますが、この作品はそれらとは違います。素直に言いますが、「エロ」いんですよね。思春期の私にはそのようにしか見えませんでした。

 左より、シーレ、シーレ、クリムト、です。逸品揃いに私服を感じます。特に中央の「カール・グリュンヴァルトの肖像」がたまりません。 

 フランシス・ベーコン「スフィンクス」です。出会った際、思わず「うわっ!」と声を上げてしまいました。来てよかったと思わされる逸品です。

 本館から高橋節郎館へ向かう通路です。赤・青・黄の壁や鏡が45度にずらして設置されています。だまし絵かワンダーランドのような空間に迷い込むかのようです。

 美術館内の別館、高橋節郎館です。見応えある収蔵作品群で、こちらだけでも一美術館として成り立つほどのものです。

 高橋節郎館の展示室です。蒔絵、螺鈿の見事さはもちろん、デザイン化された意匠にも腰が抜けそうになります。

 館の敷地内にある茶室、「童子苑」です。閉館時間を余裕で過ぎていた為、この通り閉まっていました。 

 ジェームズ・アンソール「仮面の中の自画像」です(※当画像はネットより拝借)。
 今回の企画展のほぼ全ての作品はアントワープ王立美術館所蔵品で、それはもう逸品揃いなのですが、私の心を特に掴んだのはこのメナード美術館所蔵の作品でした。
 この作品がいい作品であるかどうかは主観ですが、日本の美術館には世界が羨む作品がたっぷり所蔵されていることは確かです。アートに恵まれた国にいると実感できました。

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