2013年4月1日

【ArtFM 世田谷美術館「エドワード・スタイケン写真展 - モダン・エイジの光と影 1923-1937 -」】

東京都世田谷区の世田谷美術館へ行った。

内井昭蔵氏設計の当館、
位置で大きく変わる景色が面白い。

展覧会は「エドワード・スタイケン写真展」で、
浮世離れしたモード写真が並ぶ。

高嶺でなく幻の人。
人格など見せない芸術の域のポートレートに、
壊れてしまいそうな精緻で高貴な虚像を感じた。

/アートツアラースグル

 世田谷美術館の建屋です。設計は内井昭蔵氏。先日の蕗谷虹児記念館のレポートでもご紹介しましたが、全国各地の美術館を手掛けていらっしゃいます。

 以下数枚、建屋の写真です。その景色の変わり様をご覧下さい。





 館内です。レトロながら迫力のあるエントランス。ニューヨークのグランドセントラル駅を見た時のような感覚を得ました。


 展示室へと向かう渡り廊下です。

 さて、作品です。エドワード・スタイケン「作曲家ジョージ・ガーシュイン」。(当画像はネットより拝借)
 ラプソディー・イン・ブルーが大好きな私ながら、この写真がガーシュウィンとは分からないまま、ただただ驚き、そして魅力に取り憑かれていました。ポートレート(人物を主とした写真)ながら、同じ次元の人物像には見えません。私は写真を撮る時は人臭さを写真に収めようとするし、それを是としてきたのですが、この写真を拝見したことで、芸術としてのポートレートへも魅力を見出しました。感謝感謝です。

 エドワード・スタイケン「女優グロリア・スワンソン」。(当画像はネットより拝借)
 スタイケンは「ヴォーグ」を出版するコンデ・ナスト社の主任写真家だったのですが、まさにその色といった感じがします(私はヴォーグを知っている人間ではないので、あくまでイメージですけど。)。というか、「ヴォーグをルーヴルにしよう」というスタイケンの言葉が会場にあったように、スタイケンがヴォーグの色を作ったのかもしれません。
 ちなみに、当展覧会は2013年4月7日(日曜日)までです。北米中心の巡回展で、日本国内での巡回はありません。出版社の所蔵品、しかも多くはヴィンテージプリント(フォトマスターの勉強をしたことでこの言葉の意味を知りました。撮影と同時期にプリントしたものの事です。コトバンクによると「写真作品の中で、写真家自身または専属のプリンターが撮影後ただちにプリントし、写真家が署名したもの」とあります。)なので、なかなかお目にかかる事はありません。お好きであれば是非に。

 さて館外です。当館は世田谷の大きな公園「砧公園(きぬたこうえん)」内に位置します。季節的に木々はこんな感じでした。


 館の前には当作品、本郷新「わだつみのこえ」です。本郷新記念札幌彫刻美術館に訪問した際は、季節の関係もあって歌手っぽい写りになりましたが、今回はこんな感じに写りました。



〒157-0075
・東京都世田谷区砧公園1-2 【map】
・電話:03-3415-6011
【開館時間】
・午前10時-午後6時(入館は閉館30分前まで)
【休館日】
・月曜日(祝日の時はその翌日)
・年末年始(12月29日~1月3日)
・展示替えによる休館もあり
・基本、バスか車。詳細はリンク先でご確認下さい
※私は小田急電鉄「祖師ヶ谷大蔵駅」まで歩きましたが、30~40分ほどかかりました。

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