まるで城跡、堀と石垣が囲む当館、
黒い建屋が巨大な蔵に思える。
見たのは所蔵品展で、
地元所縁の絵画やシャガールコレクションが並ぶ。
シャガールの旧約聖書な版画「聖書」に歴史の綾を感じつつも、
やはり逸品「路上の花束」に絵に映す心の妙を感じた。
/スグル
今回の1枚目は、高知県立美術館への道程の途中で撮影した美術館の外観です。堀(運河?)に石垣。城跡のようですよね。ですが、高知城(日本100名城)の天守からは遠く離れており、違うようです。ネットでいろいろと調べたのですが、城と当地の関係を示す記述は見つかりませんでした。
美術館の外観です。黒壁の巨大な蔵のような姿をしています。Wikipediaによると、「土佐漆喰の土蔵をモチーフとするデザイン」なのだそうです。
庭です。いかにも人工的な池が、スッキリとした印象に拍車をかけています。
スッキリ。
入口へと続く通路です。水に挟まれています。当館を設計した日本設計のWebサイトによると、「水辺に浮かぶ美術館をイメージ」しているのだそうです。なるほど、当箇所を見る限りでは、安芸の厳島神社のような印象が少しあります。
エントランスホールです。
全体的に大理石っぽい内装が占めているように思います。
通路より眺める中庭です。「水辺に浮かぶ美術館のイメージ」の通り、水がはられています。底を黒くして空とか建屋とかが映り込むようにすると、更にいいような気がします。あ、いい加減なことを言ってすみません。
2階から見た中庭です。
休憩室です。窓の外には やはり水が流れています。
館内で寝そべる、フェルナンド・ボテロ「鏡を持つ女」です。ワイドショー、せんべい、そしてケツをポリポリとする音が聞こえてくるのは私だけでしょうか?
マルク・シャガール「路上の花束」です(※当画像はネットより拝借)。
当館の誇る、約1300点ものシャガールコレクションのうちの1枚です。作品は入れ替わりますが、シャガールコレクションを展示する部屋が設けられており、シャガールが常設で展示されています。
レポート中に挙げた、シャガール「聖書」は版画集です。一般的に"聖書"を題材にした作品は新約聖書が描かれているものがほとんどですが、シャガールの「聖書」には旧約聖書に沿った内容(人類創造・モーゼ・出エジプト 等々)が描かれています。理由は、シャガールがユダヤ人であるためです。ユダヤ教にとってイエスを示す新約聖書はありません。イエスをメシア(救世主)として認めぬ立場がここにあります。
レポートには書きませんでしたが、私の訪問時は特別展として「アール・ブリュット・ジャポネ展」が開催されていました。フランスで開催され評価を得た同名の展覧会の凱旋展です。アール・ブリュットがかなり好きな私はこの凱旋展を滋賀で見ようと思っていたのですが、予定が合わなかったため残念に思っていました。その為、当館で拝見出来たことに嬉しさを感じます。
写真は、吉川秀昭(よしかわひであき)さんの「目・目・鼻・口」です。が、当展覧会で展示されていたものではなく、私の所有物です。吉川秀昭さんの同名の作品は当展覧会で多く展示されていたのですが、撮影できなかったため、この写真を参考として載せました。
「アール・ブリュット」については、先日レポートした「ねむの木こども美術館」に記していますので、どうぞご覧くださいませ。
さて、交通手段の話しに移りましょう。高知市を走る路面電車です。
車両正面の「ごめん」の文字が気になります。目の前にこの列車が現れた時は、「えらく砕けた回送電車やなぁ」と真剣に思ったのですが、正しくは、「ごめん(地名)行き」でした。
高知駅からは路面電車を乗り継いで向かいます。順路としては、「高知駅前」→「はりまや橋」→「県立美術館通」→徒歩5分、です。詳しくは文末のアクセス欄をご覧下さい。
路面電車の駅名にもある観光名所、「はりまや橋」です。日本3大がっかり名所の一つに数えられます。「がっかり」の先入観で期待値を下げて見ると、案外いいように見えてくるから不思議です。
はりまや橋の近くです。緑は美しく、水がサラサラと心地よく流れています。私の訪問した時間には、OLさんだったか、水辺でお弁当を広げていらっしゃいました。
はりまやばし商店街です。パッと見た感じは普通の商店街でしょうが、特別な点があります。なんと、アーケードが木製です。日本初の木製アーケードとなっています。匠の技、そして木と光の温もりを感じました。
【高知県立美術館】
〒781-8123
・高知県高知市高須353-2 【map】
・TEL 088-866-8000
【開館時間】
・9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・年中無休(年末年始 12月27日~1月1日を除く)
※臨時休館あり
【観覧料(コレクション展(シャガール展と共通料金))】
・350円(一般)
・250円(大学生)
【アクセス】
・はりまや橋から土佐電鉄路面電車「ごめん」、「領石」または「文珠通」行きで15分、
「県立美術館通」下車。北へ約200メートル、徒歩5分。
※Webサイトにはこのように書かれていますが、私は「はりまや橋」を知らなかった為、どう行けばいいのかさっぱり分かりませんでした。
※「はりまや橋」は高知市の中心街で、高知駅より路面電車で3駅の場所にあります(地図を参照)。つまり、その「はりまや橋」駅で「ごめん」or「領石」or「文珠通」行きに乗り換えて美術館に向かうということです(直通電車はおそらくありません)。
※すべての道程を時間で示すと
「高知駅前」~(5分)~「はりまや橋」~(乗換3~5分)~
「はりまや橋」~(15分)~「県立美術館通」~(徒歩5分)~美術館(合計約30分)
となります。乗るのは路面電車のみです。
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