校庭は大自然、木造の旧小学校舎の当館、
まるで映画の郷愁がこの身を包む。
展示は安田侃の彫刻で、
野外にも校舎にも点在している。
誕生・秩序・進化・隣人・友達。
冷たくも有機的、ゴーストを感じる彫刻に、
どこか懐かしさと親しみを感じた。
/スグル
今回の1枚目はアルテピアッツァ美唄(びばい)の建屋内での写真です。子供のような無邪気さを感じます。まるで廊下を走りまわっているようでした。
建屋外です。駐車場前にはこのような坂道があります。ここが敷地の入口です。この先に野外彫刻や建屋があるのですが、既に ここがその世界の始まりでした。若干、モエレ沼公園のモエレ山の雰囲気も感じます。
歩みを進めると広い敷地に建屋が見えてきます。旧体育館です。当館は旧小学校の校舎を利用しています。
体育館の中です。左下に見える白い直方体は作品の1つです。当館には40体を超える大型の彫刻があるのですが、敷地がかなり広いため間隔に余裕があります。1つ1つと向き合うにいい感じです。
各作品の作者は安田侃(かん)さん。イタリア在住、美唄出身の彫刻家です。著名な方で、日本各地で作品を拝見することができます。例えば、新潟県立万代島美術館(朱鷺メッセ(トキメッセ))の「天秘(てんぴ)」、東京ミッドタウン(六本木)の「意心帰(いしんき)」「妙夢(みょうむ)」、北海道 洞爺湖の「回生(かいせい)」、宮崎県立美術館の「天泉(てんせん)」等などです。美術館以外にも広く設置されています。
この作品は大理石製の冷たい無機物です。が、なんとなく有機物というか有機的に見えます。命(ゴースト)さえ宿っていそうです。私には、この「卵」から先述の子供のような作品が生まれ、新秩序が発生し、様々な形に進化したように思えました。
こんな写真も。作品とともにカメラで遊びました。
旧体育館を離れ、旧校舎に向かいます。
美唄市(びばいし)はかつて、日本有数の炭鉱都市でした。60年ほど前が人口のピークで、その後は減少しています。炭鉱も一部が残るのみです。このアルテピアッツァ美唄は元は学校(栄小学校)で、主に炭鉱従業員の子弟が通う学校でした。廃校は1981(昭和56)年。改装を経て現在に至ります。建屋内は3/4が美術館で、残りは幼稚園です。
地元のデートスポットなのでしょう。素朴な姿がいい感じです。
以下、しばらく校舎内です。ところどころに作品が展示されています。入館料はなんと無料です。
なんとなく作品から声が聞こえてきます。作品そのものがこの場を楽しんでいました。
こちらは、入口入ってすぐの光景(一部)です。下駄箱があります。利用しているのは当館内の幼稚園です。
このとおり館内に幼稚園があります。アートと自然のあふれる場所が子供にどう影響を与えるのか、興味深いところです。
野外に出ると作品のサイズが数段上がります。意匠も少々複雑です。子供のようだった作品が成長・進化したように感じました。
誕生で新秩序が生まれ、進化し、コミュニティを形成。そしてまた生まれる。そんな循環を感じました。
【アルテピアッツァ美唄(びばい)】
〒072-0831
・北海道美唄市落合町栄町 【map】
・TEL: 0126-63-3137
【開館時間】
・9:00~17:00
【休館日】
・毎週火曜日
・祝日の翌日(日曜日は除く)、
・12月31日~1月5日
※詳しくはカレンダーを参照
【入場料】
・無料
【アクセス】
・(電車+バス)JR函館本線 特急にて34分、美唄駅前よりバス20分
・(車)道央自動車道利用で札幌JCTより35分、新千歳空港より60分、美唄IC下車約5分
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