2017年10月10日

【残り2週! 山種美術館「上村松園 -美人画の精華-」(東京 広尾)】

着物美人。

若い頃は分からなかったその良さが
歳を経る度に沁みてきます。

今回は、東京 広尾の山種美術館より、
着物美人いっぱいな展覧会をご紹介します。
【企画展 上村松園 -美人画の精華- 】

ちなみに、会期残2週間です。

今回の外観写真は、交差点「山種美術館前」よりの1枚。
美術館の概要については、以下の記事をご覧ください。
【山種美術館「花・Flower・華 -琳派から現代へ-」(東京 広尾)】

展覧会は「企画展 上村松園 -美人画の精華- 」
美人画で知られる巨匠「上村松園」の作品を中心とした展覧会です。
※今回の取材も内覧会であり、撮影の許可を頂き掲載しています。
※所蔵について記述のない作品は全て山種美術館 蔵です。

日本画家 上村松園(うえむらしょうえん)は京都生まれ。明治から昭和へと、生涯を通じて女性を描き続けました。女性初の文化勲章受章者で、和装の美人画=上村松園 と言えるほどよく知られた巨匠です。切手の図柄にも作品「序の舞」(東京芸術大学蔵 本展には出品されていません)や「牡丹雪(山種美術館蔵 現在展示中)」が採用されています。

当館の松園作品の所蔵は全18点。日本屈指の松園コレクションで、「蛍」「砧」「牡丹雪」などの代表作を含みます。本展では全所蔵作品18点が一挙公開です。


作品を見ていくとしましょう。
こちらは、上村松園「砧(きぬた)」。上村松園の代表作の1つで、能楽作品「砧」を題材にしています。
当館では毎回1点撮影可能な作品が用意されているのですが、今回はありがたくも当代表作が選ばれています。等身大の着物美人ですし、並んで撮るのも良さそうです。

上村松園「庭の雪」 (上:全図 下:部分) 昭和23年 73歳作

カワイイ女性像です。松園73歳の作とあり、祖母に孫といった包容力を感じます。迷わぬ繊細な線がまた魅力的です。
ちなみに、私は美術作品を基本全体像を撮ります。構図第一とするからです。しかしながら今回はポートレート(人物写真)的な視点で切り取ってみました。オトコ目線でながめるのも良しとしましょう。

上村松園「杜鵑(ほととぎす)を聴く」 (部分) 昭和23年 73歳作

上村松園「夕べ」 (部分) 昭和10年 60歳作

上村松園「折鶴(おりづる)」 (部分) 昭和15年頃 65歳頃作

上村松園「新蛍(しんけい)」 (部分) 昭和4年 54歳作

上村松園「詠哥(えいか)」 (部分) 昭和17年 67歳作

次々に現れる心惹かれる女性たち。そんな中、特に気になる着物美人をご紹介します。

上村松園「蛍」 (部分) 大正2年 38歳作 代表作の1つです。
他の作品に比べ顔つきが違います。他は切れ目、細い眉、瞳で語り、骨格しっかり、であるのに対し、当作は若干眉が太め、おめめパッチリ、体つきも華奢(きゃしゃ)です。風に流されそうな雰囲気もあります。まるで竹久夢二夢二式美人です。まぁ、大正2年の作ですし、時代的に相互の影響はあるかもしれません。

上村松園「春のよそをひ」 (部分) 昭和11年頃 61歳頃作
妖艶です。目つき、手つき、扇の扱い、軽い微笑みがたまりません。バストアップのフレーミングながら、全身を想像させます。オトコを簡単に支配しそうです。

上村松園「つれづれ」 (部分) 昭和16年 66歳作
完全に個人的な話しですが、私は時代劇「御家人斬九郎(主演 渡辺謙)」の登場人物「蔦吉(つたきち)」の大ファンです。若村麻由美(わかむらまゆみ)さんが扮するその辰巳芸者は、美しさ、優しさ、強い正義感、そして舞踊で魅せます。この作品は、その蔦吉のイメージにピッタリです。いやぁ、美術館で蔦吉を浮かべるとは思いませんでした。


他の画家の作品もご紹介しましょう。

北沢映月(きたがわえいげつ)「想(そう 樋口一葉)」  昭和48年 66歳作
一葉の小説の主人公たちが描かれた背景で思考を示しています。余白のある構図で心を表す実例です。私は「アートで伸ばす写真表現」を提唱していますが、その理屈から見るに学びが多くあります。

森田曠平(もりたこうへい)「出雲阿国(いづものおくに」 昭和49年 58歳作

歌舞伎の祖といわれる出雲の阿国(おくに)を描いた作品です。
左右からの鑑賞や、歩きながらの鑑賞をオススメします。2つの写真を比べて下さい。いかがでしょう?動きを感じませんか?2次元ながら3次元、まるで舞台です。

小山硬(おやまかたし)「想(そう)」 昭和56年 47歳作
描かれているのはキリシタン大名「大友宗麟(おおともそうりん)」の三番目の妻「ジュリア」です。
大友宗麟をご存じの方は多いと思いますが、ジュリアさんはいかがですか?大変失礼ながら私は全く知りませんでした。Wikipediaによると「某女(洗礼名ジュリア)、イエズス会関係の史料によると元・奈多夫人の女中頭であったとされる」だそうです。
描かれた女性像に対し、私はキリシタンなイメージより、秀吉の妻「北政所(きたのまんどころ おね)」のような肝っ玉と野心とを感じました。確かに、安土桃山時代までの歴史を紐解けば、こんな感じかもしれません。

片岡球子(かたおかたまこ)「北斎の娘おゑい」  昭和57年 77歳作
漫画・アニメ(「百日紅」)や、NHK(「眩 くらら」宮崎あおい主演)など、最近メディアでよく取り上げられている「お栄(おえい 葛飾応為 おうい)」さん。葛飾北斎の娘です。絵師というより、歌舞伎役者な感じで描かれています。若干ガサツで力強い彼女の生き様が現れているようです。

池田輝方(いけだてるかた)「夕立」 (上:全図 下2枚:部分) 大正5年 33歳作
昼のドラマを見ているような作品です。なんだか除き見るドキドキ感があります。完全に下世話ですが、話の展開に興味津々です。
大正だからでしょうか、女性像にはやはり夢二っぽい雰囲気を感じます。柔らかさと適度な湿度が魅力的です。



月岡栄貴(つきおかえいき)「鉢かつき姫」 昭和47年 56歳作
お伽草子の「鉢かづき」を題材にした作品です。かわいいですよね。アニメのようにほんわかと流れるドラマを感じました。


作品の鑑賞後は、山種美術館恒例の展覧会スイーツを楽しみましょう。今回も「Cafe椿」にて作品を模した和菓子が用意されています。青山の老舗菓匠「菊家」への特別オーダー品です。

「舞妓(まいこ)」
橋本明治「秋意」をイメージしたお菓子です。着物を纏っているような雰囲気に上品さを感じます。葉型のアクセントに、季節感とカンザシのような可愛らしさを感じる一品です。

「道成寺(どうじょうじ)」
小林古径(こばやしこけい)の作品「清姫」の一場面の「寝所」をイメージしています。カワイイことこの上ありません。

「双鶴(そうかく)」
イメージの元は、松園の「折鶴」です。淡雪かんのまろやかな味わいで大変美味。イチオシです。

以上。

【企画展 上村松園 -美人画の精華- 】
【会期・開館時間】
・2017年8月29日(土)~10月22日(日)
 会期中、一部展示替えあり
・10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・月曜日(但し、9/18(月),10月9日(月)は開館、9/19(火),10月10日/(火)は休館)
【入館料】
・一般1000円・大高生800円・中学生以下無料

【山種美術館(やまたねびじゅつかん)】
〒150-0012
・東京都渋谷区広尾3-12-36 【map】
・TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
【開館時間】
・10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※特別展の開館時間は変更になることもあります
【休館日】
・毎週月曜日(祝日は開館、翌日火曜日は休館)
・展示替え期間
・年末年始
【割引券】
ホームページ割引券
【アクセス】
・JR恵比寿駅西口より徒歩10分 【アクセスmap】
・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分

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