2013年9月13日

【ArtFM ねむの木こども美術館「どんぐり」「ねむの木緑の中」(静岡県掛川市)】

静岡県掛川市の、
ねむの木こども美術館「どんぐり」と「ねむの木緑の中」へ行った。

藤森照信氏設計、小人の家の様などんぐり、
念願の建物はえらく可愛い。

展示はアール・ブリュットで、
アーティストへと育った障害ある子供達の作品が並ぶ。

その作品群に、
自身が成長過程で失った一生懸命で素直な表現を感じた。

/スグル
 ねむの木こども美術館「どんぐり」の建屋の屋根です。印象深い特異な形をしています。
 今回訪問したのは2館、ねむの木こども美術館の「どんぐり」と「ねむの木緑の中」です。双方、福祉・教育の文化村「ねむの木村」に位置します。
 村の中核は、日本で初めての肢体不自由児のための養護施設「ねむの木学園」で、学園の”母”は歌手・女優・監督の宮城まり子さんです。1968年(昭和43年)に私費で開設されました。


 掛川駅から ねむの木村 までの交通手段はバス・タクシー・車です。20~30分ほどかかります。その道中には掛川城や茶畑があり、静岡らしさをたっぷり感じることができます。

 掛川城です。敷地内には掛川市二の丸美術館があります。

 訪問は3月末。桜の季節でした。

 コブシ(ですよね?)も満開です。茶畑といい、桜といい、コブシといい、景色が大変に良くて、なかなか美術館にたどり着けませんでした(笑)。

 ねむの木村(ねむの木学園)の入口です。タイル壁画があります。もちろん、子供達が作ったものです。

 ねむの木村の一番街(?)、アカシア通り一丁目です。雑貨屋さんやガラス工房、吉行淳之介文学館などがあります。


 ねむの木村をしばらく進むと、現れるのが当館「ねむの木こども美術館 どんぐり」です。設計は藤森照信(ふじもりてるのぶ)さんと内田祥士(うちだよしお)さんで、2007年に竣工しました。
 当館を知ったのは、茅野市美術館(長野県)での展覧会です。藤本照信さんの建築物がパネル展示されていました。その建物はかなり特異で、是非に拝見したい!と思うものばかりです。先日は、山梨県北杜市にある清里芸術村で茶室「徹(てつ)」を拝見し、おぉぉ・・だったのですが、今回は、かわええ・・という感じでした。念願の建屋が写真以上の存在感で大満足です。
【ArtFM 茅野市美術館(長野県茅野市)】

 参考までに、藤本照信さん設計、清里芸術村(山梨県北杜市)の茶室「徹(てつ)」です。鬼太郎の家のような外観をしています。う~ん、お茶したい。


 建物の白い壁には、このような絵が描かれています。お題は「麦」。職員さんに伺ったところ、子供達が描いたそうです。


 「どんぐり」のおにぎりのような屋根の一部です。職員さん曰く、この波(手もみ銅板)も子供達が作ったものなんだとか。

 「どんぐり」は2階建てです。建屋内の階段や庭を通じ2階に上がることができます。1階・2階、双方が展示室です。
 展示作品は、レポートの通りアール・ブリュットです。アール・ブリュットは、「加工されていない生(き)のままの芸術」という意味のフランス語で、定義的には「正式な美術教育を受けていない方の芸術」という感じになっています。日本においては、アール・ブリュット作品の多くは、障害者福祉の現場で生み出されており、実質的には(正しい・正しくないは別として)、ハンディを持つ方の芸術を指しています。
 私はアール・ブリュットによく惹かれ、それを目的に行動しています。広島県の「鞆の津ミュージアム」は未訪問ですが、栃木県の「もうひとつの美術館」や滋賀県の「NO-MA」、そして各地の美術館でのアール・ブリュット展にお邪魔しました。それは、同情やら何やらではありません。純粋に作品の素晴らしさに惹かれてのものです。結果、私はアール・ブリュットネットワークの会員となりました。

 当館ではありませんが、私が以前に購入したアール・ブリュットの作品です。作者は吉川秀昭さん。2年ほど前にパリで開催された「アール・ブリュット ジャポネ展」へ作品を出品なさったこともある方です。なんとも言えん存在感を放っています。



 どこをどう写しても可愛いですよね。

 こちらはねむの木こども美術館「ねむの木緑の中」です。「どんぐり」は子供達の作品が展示の中心ですが、当館は、どちらかと言えば宮城まり子さん中心です。
 「どんぐり」からの距離は約700m。車でちょっとです。歩きでは15分ほどだと思います。

 ほんめつとむ「はっぱの中でひるねしたよ」(※当画像はネットより拝借)。
 以下、当日は意見した作品ではありませんが、私が特に気になった方のご紹介として参考として載せました。どれも、自身の心に寄り添う表現であったり、一生懸命さや集中力を感じたりします。ただ、心に寄り添っているはずなのに、私には表現できません。社会生活を通じてその純粋さを失ってしまったのでしょう。そこが惹かれる理由の1つなのだと思います。
 ちなみに、アール・ブリュット ジャポネ展(高知県立美術館での凱旋展)では、精神力や生命力が型から溢れ出る作品や、集中力を感じる作品の比率が多いように感じました。また後日、レポート致します。

 ほんめとしみつ「シャル・ウィー・ダンス」(※当画像はネットより拝借)

 むらまつきよみ「あじさいの中のふたり」(※当画像はネットより拝借)

 むらまつきよみ「忘れな草」(※当画像はネットより拝借)

 やましたゆみこ「世界のお家」(※当画像はネットより拝借)

【ねむの木こども美術館「どんぐり」】
・静岡県掛川市上垂木3399-1 【map】
・0537-26-3985 ( どんぐり 直通 )
・0537-26-3900(代)(開館時間外:ねむの木学園)
【開館時間】
・10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・10月下旬の運動会開催日は終了後開館
・年末は 12/30・12/31
・元旦は午後開館【お昼すぎ】
※詳しくは要問合せ
【観覧料】
・600円(一般・大学生)
【アクセス】
・掛川駅北口より「ねむの木学園行きバス(終点)」で約20分
バス時刻表(参考)
※掛川駅より車で20~30分です。
ねむの木村内詳細図

【ねむの木こども美術館「ねむの木緑の中」】
・静岡県掛川市上垂木3534 【map】
 ※ねむの木こども美術館「どんぐり」から約700mの距離にあります
・0537-26-3985(緑の中 直通)
・0537-26-3985(どんぐり 直通)
 ※お問合せは「どんぐり」へお願いします。
【開館時間】
・10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・10月下旬の運動会開催日は終了後開館
・年末は 12/30・12/31
・元旦は開館の場合もあります。お問合せください。
【観覧料】
・300円(一般・大学生)
【アクセス】
・掛川駅北口より「ねむの木学園行きバス(終点)」で約20分
※掛川駅より車で20~30分です。
ねむの木村内詳細図

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