2014年4月5日

【ArtFM 滋賀県立近代美術館(滋賀県大津市)】

大津市の滋賀県立近代美術館へ行った。

庭園、茶室、溢れる緑。
びわこ文化公園に位置する当館、
望む緑に目も心もほぐれる。

見たのは所蔵の工芸品・絵画等で、
染織、陶芸、竹工芸、日本画、洋画などが並ぶ。

特に、人間国宝の志村ふくみの紬織(つむぎおり)や清水卯一の焼物には、
乾いた部屋に水の音を感じた。

/スグル
 今回の1枚目は美術館のすぐぞばで見つけた蝶のようなヤマボウシ(おそらく)です。見かけで分かるかと思いますがハナミズキと近縁にあたります。開花は6~7月です(Wikipedia)。私が訪問したのは2013年5月末で、この樹にこの一輪の状態でした。
 ところで、この写真はカメラにセットのズームレンズで撮影したものです(AF-S DX 18-200 f3.5-5.6)。私はマクロレンズ(近接撮影用のレンズ)は持っていません。セットのズームレンズでも一眼レフであればこれくらいの大きさのボケやきれいなボケ味、シャープさやコントラストを味わうことができます。

 びわこ文化公園の一施設、日本庭園「夕照の庭(せきしょうのにわ)」です。池の向かいにわずかに美術館が見えます。可能であれば日の強い昼間ではなく夕刻に撮影したかったのですが、そんな時間はありませんでした。なお、このびわこ文化公園の中(map)には、他に県立図書館、埋蔵文化財センター、茶室「夕照庵(せきしょうあん, 近江八景のひとつ「勢多の夕照」にちなみ命名)」、等があります。

 びわこ文化公園の駐車場から美術館までの道程はこのような感じです。包む緑が眼と心をほぐします。お茶席前のお庭鑑賞のように、芸術へのおもてなしといった感じです。

 山口牧生(やまぐちまきお)「夏至の日のランドマーク」です。「彫刻の路」にあります。モノリスほどの強い主張ではなく、さりげなく悠久の時と文明の足跡を感じさせる作品です。

 滋賀県立近代美術館の入口です。大きなガラスが多用されているため、屋根の下にも青空が映ります。十分に大きな館なのですが、高さや色がちょうどよく、程よい主張であるために、周囲の自然との調和を感じる建屋です。なんとなく、伊勢の神宮美術館を思わせます。


 美術館に入って即のロビーです。外観からの想像より大きな空間があります。

 大きな空間、大きな窓、そして大きなソファ。外には青空と緑、そして芸術作品を望みます。

 中庭です。巨匠アレキサンダー・カルダー(アレクサンダー・コールダー )の「フラミンゴ」が見えます。樹と合わせてみると、クモかアリかカマキリのような感じです。由緒としては、シカゴにある高さ15mのパブリックアートを中型にした作品なのだそうです。
 アレクサンダー・カルダーの作品は全国各地の美術館が所蔵しています。が、それらはモビール(天秤・やじろべえ)状の作品です。なので、実を言うとこちらの作品のことを竹田康宏(たけだやすひろ)さんの作品だと思っていました。


 中庭から見た美術館です。

 中庭側は入口側とは違った姿をしています。鶴翼の堂々とした姿です。


 再び館内です。ご紹介した中庭をこのような廊下が取り囲んでいます。緑が心地よい通路です。

 館内の様々な場所から「フラミンゴ」が見えます。ムシっぽい自然な存在感は変わりません。


【気になる作品】

 自然な水の流れと湿った空気を感じます。俗っぽく言えば、マイナスイオンを身にまとう感じです。
 

 志村ふくみさんは滋賀県近江八幡市出身の染織家で、紬織(つむぎおり)の重要無形文化財保持者(人間国宝)です。今回50点以上の作品を拝見したのですが、所蔵は更にあります。


鉄釉陶器の重要無形文化財保持者(人間国宝)、清水卯一(しみずういち)さんの
 水をたたえる景色に浮き上がる、雪のような白い釉薬と岩の様なゴツゴツ感が印象に残ります。暑さに求めたい逸品です。日本庭園が詰まっているかのように感じました。


ろう・難聴、そして独学で技術を得た竹工芸作家、杉田静山(すぎたじょうざん)の
 秋風といえばそうも見えるのですが、私はすだれのような涼しさを感じます。私が拝見したのは「装いとしつらえの四季」という企画展で、四季を表す日本画や工芸品が並んでいたのですが、日が強い日だったためでしょうか、各作品に涼を見出していました。




 とりあえず私が拝見した作品の中からお気に入りの数点を紹介しましたが、当館にはまだまだ魅力的な作品があります。例えば、滋賀出身の小倉遊亀(おぐらゆき)、私の大好きな菱田春草(ひししだしゅんそう)、下村観山(しもむらかんざん)、アンディ・ウォーホル、フランク・ステラ、等々です。またお邪魔した際には堪能させてもらおうと思います。

 さて、毎度の電車です。新幹線での移動には新型(だった)車両N700A(2013年2月デビュー)に乗りました。

 そしてJR琵琶湖線に乗り継ぎました。関西在住時には乗り倒していた車両で、特に目にとまる存在ではなかったのですが、今は写真に収めておきたい存在となっています。

 こちら、琵琶湖畔での1枚です。美術館とは何も関係がありませんが、なんとなく印象に残ったので撮りました。
 私の撮影枚数はおよそ1日100枚。ですが、ジャンルに偏りはありません。人も風景も動物も植物も、心が動くものであればなんでも撮ります。こういったスナップも多数です。

【滋賀県立近代美術館】
〒520-2122
・滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1 【map】
・TEL:077-543-2111
【開館時間】
・9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
・年末年始(期日は年ごとに定めます。)
※詳細はカレンダーを参照
【観覧料(常設展)】
・500円(一般)
・300円(大学生)
※企画展は別途定めます
【アクセス】
・JR琵琶湖線(東海道本線)「瀬田駅」から
 バス「滋賀医大」行きにて「文化ゾーン前」下車、徒歩約5分
※私は瀬田駅より車で向かいました。約10分の距離です。
※googleマップによると、歩いて行くことも不可能ではなさそうです。40分ほどかかるそうですが。

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