日本100名城、掛川城二の丸に位置する当館、
江戸の商店のような外観を持つ。
見たのは所蔵の工芸品で、
江戸から明治の彫金・蒔絵、
煙草道具・印籠などが並ぶ。
特に金工品工房 京都駒井の緻密な象嵌へは感動し、
当館名物、煙草道具の粋な具合には惚れる思いがした。
/スグル
掛川城(初代城主 山内一豊)です。この掛川城は日本で初めての木造本格復元の天守閣を持つ城で、この天守閣がよく見える二の丸に当館は位置します。訪問は3月末。桜の時期でした。
掛川市二の丸美術館です。レポートに"江戸の商店"と書きましたが、いかがでしょう?
美術館と掛川城です。
商店のような外観を持つのは左側の建屋で、この通り、右側のような建屋もあります。こちらが主の展示室の第一展示室です。当館には2つの展示室の展示とロビー展示とがあります。
金工品工房 京都駒井「鉄地金銀象嵌人物図大飾皿」です(※当画像はネットより拝借)。
この画像に写っている作品は東京国立近代美術館所蔵のものですが、当館所蔵の作品と同名で、かなり似た意匠の為、参考に載せました。
作者は京都「駒井」の初代「駒井音次郎」、大きさは48.5cm、重さは5kgです。中心に描かれた古田織部を始め、その他文様に細密な象嵌(ぞうがん:金属の表面に別の金属や素材をはめ込むこと)が施されています。明治期の超ド派手具合はともかく、その超絶技巧は見ものです。中心の古田織部から「ヒョッヒョッヒョッ」と奇妙な笑い声が聞こえてくる思いがしました。
塚田秀鏡(つかだしゅうきょう)「銅地銀象嵌蛸図花瓶(どうじぎんぞうがんたこずかびん)」です(※当画像はネットより拝借)。
この画像からではよく分かりませんが、その名の通り、タコが描かれています。その彫金は"這い出てくるかの如く"です。当館の彫金軍は本当に必見です。
当館の展覧会は所蔵品展が多く、所蔵の近代日本画(鈴木コレクション)・たばこ道具・印籠・刀装具・書画など(木下コレクション)から選ばれた品が並びます。伺ったところ、基本、総入れ替えとの事で、常時並ぶ品はほぼなさそうです。
当館の特に名物とされるものは「たばこ道具」です。私の訪問時は、きせる、タバコ入れ、根付などなど、数10点が並んでいました。その名物のうち、こちらは「金唐革提げたばこ入れ」です(※当画像はネットより拝借)。訪問時に並んでいた品ではありませんが、参考に載せました。
ちなみに、当館の説明にもありましたが、たばこ入れは"総合芸術品"です。多くの素材と、蒔絵や彫金などのあらゆる技術が投入されています。パッと見て「おっ!」と心をつかまれ、細かく眺めて惚れる、そんな感じでした。
「千筋黄鹿革堤げたばこ入れ」です(※当画像はネットより拝借)。上の品とはまた違った粋を感じますよね。近年のプロモーション上、たばこはイメージ重視でしたが、それは昔から変わらないんだなぁと思いました。
〒436-0079
・静岡県掛川市掛川1142番地の1 【map】
・TEL:0537-62-2061
【開館時間】
・9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・毎週月曜日(祝日は開館)
・祝日の翌日
・臨時休館日(展示替等)
・年末年始(12月28日から翌年1月3日まで)
【入館料】
・200円(大人)
※特別展の際は変更あり
【アクセス】
・掛川駅から徒歩約10分
・美術館北側に無料駐車場があります
0 件のコメント:
コメントを投稿