2013年10月16日

【ArtFM 齋藤美術館(岐阜県郡上市八幡町)】

岐阜県郡上八幡の齋藤美術館へ行った。

見上げるお城、城下町に位置する当館、
町の風情と水の音が実に心地いい。

展示は書画・茶道具で、
歴史にみる名が次々現れる。

仁清、道入、旦入、遠州、織部・・・。

予想外に出会った数々の逸品に、
わずか2つの展示室が底なしに深く感じた。

/スグル
 今回の1枚目は郡上八幡城(ぐじょうはちまんじょう)です。山城で、町中から眺めることができます。夜にはライトアップされ、暗闇に天守が浮かびます。これまたいい感じです。

 齋藤美術館です。入口を見る限り、正直、期待が高まる趣きはありません。が、中に入ると、とんでもない数寄者(すきしゃ)の美術館でした。

 館内です。

 外観に同じく、一見、期待が高まる雰囲気ではありません。が、並んでいる品を拝見すると、つまらん先入観が見事に吹き飛びました。

 館内のお茶室です。

 お庭の水琴窟(すいきんくつ)です。水を流すと、チリンチリンと心地良い音がします。


 展示されていた品の一部を紹介します。こちらは、楽旦入(楽家10代)の赤楽茶碗「木の間の紅葉」です。

 野々村仁清「釣桶型瀧山水」です。水の溢れる当地にふさわしい品で、目にすると町の景色がまた浮かびます。ちなみに、野々村仁清(ののむらにんせい)は、国産の焼物で国宝となっている全5点中、2点を生み出した方です。

 楽家3代、楽道入(ノンコウ)の茶碗「銘 浅瀬」です。手にしてみたくなります。練られたお茶はさぞかし美味かろうと妄想していました。

 茶杓(ちゃしゃく)です。全てがとんでもない品でして、奥より、千宗旦(せんのそうたん 千家3代)、次いで古田織部、そして小堀遠州「玉簾」です。恐れ多すぎます。
 これらの品、手にはしてみたいのですが、使ってはみたくありません。棗の縁にカタカタ当ててしまいそうな気がします。でもいつかの日にか、こういった品でおもてなしをしてみたいものです。

 レポートには記しませんでしたが、こちらも予想外の逸品、白隠「鶏竹画賛」です。
 私には、おもいっきり!で コミカルで 温かいイメージが白隠(はくいん)にあるのですが、この画にも部分にはその印象もあるものの、全体的にはより丁寧な感じがします。白隠の名を見ておどろきました。
 参考までに、白隠の代表作を紹介します。

 再び郡上八幡城です。夜間入城は当然不可ですが、この通り、すぐそばまで寄ることができます。ただ、天守への山道(車通行可能)は細く真っ暗で、駐車場も寂しい限りです。お城のそばも当然に人の気配がありません。女性だけで近くまで行くのは避けたほうがいいと思います。

 当天守は、大垣城を参考にあらためて作られたもので、全国的にも珍しい木造です。他の木造の例としては、静岡県の掛川城があります。

 郡上八幡の夜景です。訪問したのは4月。祭りの練習の太鼓が鳴り響いていました。

 長良川の支流、吉田川です。郡上八幡の町のそばには長良川が流れ、支流の吉田川と小駄良川が町を横切っています。鮎釣りや水あそびの場なのだそうです。大人から子供まで水と楽しむということですね。

 「やなか水のこみち(美術館通り)」です。町中に水路がめぐっています。どこにいても水の音が聞こえる心地の良い町です。
 

 郡上八幡の、水のまちとしてのシンボル、「宗祗水(そうぎすい)」です。自然の湧水で、昔から今に至るまで、飲料水・生活用水として使われています。

 町中はこんな感じです。城下町な町並みが続きます。

 心地の良い路地。川のせせらぎに導かれました。

 小駄良川と清水橋です。

 郡上八幡は一般的にも「水のまち」として知られていますが、私にはもう2つの風情があると感じました。それは、「風のまち」であり、「香りのまち」であるということです。
 水があるところには風は基本的につきもので、こちらでも心地よい風が吹いています。城下町を吹き抜ける風に、風鈴の音色。大変風情がありました。
 もう1つの「香りのまち」については、これらの写真の通りです。あちらこちらで欲を刺激する香りに出会います。この写真は「二代目 団子家」さんの「みたらしだんご(1本70円)」です。大変美味で、1本、また1本といただいてしまいました。

 私の大好物、くるみ味噌の五平餅(ごへいもち)。1本100円です。

 こちらは、目玉焼き。といっても、食品サンプルです。実は、郡上八幡は、食品サンプル生誕の地であり、日本の食品サンプル産業の中核の町という側面があります。ネットで調べたところ、郡上八幡は食品サンプルの生産量日本一で、全国シェアの約60%を占めているそうです。


 観光客に加え、修学旅行生もたくさんいました。

 こちらはサンプルではありません。宿の食事です。アユ等々美味でした。泊まったのは、「割烹旅館 あさの」です。

【齋藤美術館】
〒501-4226
・岐阜県郡上市八幡町新町927 【map】
・TEL:0575-65-3539 
【開館時間】
・午前9時~午後5時
・午前9時~午後6時(8月のみ)
【休館日】
・木曜日(但し8月は無休)
・1月~2月
【観覧料】
・300円(大人)
※割引券(リンク先を確認)
【アクセス】
・長良川鉄道郡上八幡駅より徒歩約20分
※私は車だったので、googleマップで所要時間を確かめてみました。徒歩17分だそうです。ただ、城下町の町並みやお店が大変魅力的なので、寄り道必至です。17分や20分じゃ着かないと思います。

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