道後温泉すぐ近く、屋敷の並ぶ地に建つ当館、
一級の芸術と温泉が実に極楽極楽。
展示は主に日本人画家と一部ロダンで、
小林古径・小磯良平・杉山寧など巨匠の名が並ぶ。
特に作品が充実する加山又造の「日輪」には、
光と影のみならず、
寒と暖、希望・不安といった心のコントラストも感じた。
/スグル
今回の1枚目は、道後温泉 本館です。見ての通り歴史のある建物で、「美しい日本の歴史的風土100選」に選ばれています。明治27年に建てられました。先日ご紹介した群馬の四万温泉の積善館に同じく、「千と千尋の神隠し」のモデルと言われています。
JR松山駅・伊予鉄松山市駅からの交通手段は路面電車です。約20分ほど乗車すると、この駅、道後温泉駅に到着します。レトロな感じがいいですよね。
当駅とセキ美術館と道後温泉本館とはそれぞれ徒歩約5分圏内のご近所です。ルートなど詳細は文末の施設紹介の「アクセス」欄をご覧ください。
なお、路面電車の運賃は、松山市内線 大人一律150円、「1Dayチケット」400円です。
2009年竣工、セキ美術館の建屋です。閑静な住宅地というか、屋敷級の建物が建ち並ぶ地区に位置します。外観上、決して大型の美術館ではありません。が、地下~(中2階)~3階と全5層もあり、作品の展示数はけっこうあります。しかも、作者の名前は巨匠ばかりです。
ちなみに、運営母体はジャスダック上場のセキ株式会社です。CSR活動の一環として運営されています。
セキ美術館の館内です(許可を頂き撮影)。
受付すぐの展示室にはアンティークオルゴールがあります。生演奏ももちろん有りです(開始時間等は確認していません)。音色が美術館に響き渡ります。
加山又造「日輪」です(※当画像はネットより拝借)。
一見、視覚で感じる光と影のコントラストが特に強い作品なのですが、しばらく眺めていると、暖かさと寒さ、希望と不安といった、視覚以外のコントラストが伝わってきます。今回、最もお気に入りの作品です。
当館の所蔵品は巨匠の作品がたっぷりです。私が拝見した小林古径・小磯良平・杉山寧・川端龍子・前田青邨 等々の他に、上村松園・横山大観の作品まであります。なかでも加山又造(かやま またぞう)の作品は充実です。その数約50点もあります。
加山又造「白い道」です(※当画像はネットより拝借)。
私好みの構図、私好みの寂。その場の光や空気や温度、そしてその場にいる人の心を感じさせる作品です。この場に写真を撮りに行きたくなります。今までに見た加山又造の作品を思い浮かべると、日本画の持つ装飾美が特に伝わってくる作品が多いのですが、今回展示されている作品には、写実な景色が多く見られました。
加山又造「凝(ぎょう)」です(※当画像はネットより拝借)。凝視で目がチョウの色になっている事に面白みを感じます。猫の身体の緊張とチョウのヒラヒラ舞う姿との対比も面白いところです。
加山又造「夜桜」です(※当画像はネットより拝借)。
(私の独断と偏見に基づく)当館の看板娘、小磯良平「少女」です(※当画像はネットより拝借)。
毎度のことではありますが、見事なデッサンにため息が出ます。私は通常、素描や一部彩色といった作品は真剣に見ないのですが、小磯良平や宮本三郎といったデッサンだけでも語る作品には釘付けです。まぁもちろん、小磯良平についても兵庫県立美術館所蔵の「斉唱」が更に好きなんですけどね。
岡鹿之助「三色菫」です(※当画像はネットより拝借)。
こちらも看板娘??、ロダン「ファウナ(森の妖精)」です(※当画像はネットより拝借)。
「考える人」などに同じく、「地獄の門」の一部が独立している作品です。が、妖精だからでしょうか、ロダンにしては珍しく実にボヤぁっとした印象を持っています。私はいつもロダンといえば手や背中を特に見てしまうのですが、背中はともかく手は明確に見えやしません。ロダンにもいろいろな表現があるのだなぁと勉強をさせて頂きました。
さて、ところかわって道後温泉本館です。
前述のとおり、道後温泉本館は明治27年に建てられました。その為、老朽化がすすんでおり、耐震性も十分ではない状態です。訪問した際にテレビのニュースで丁度発表されていたのですが、2017年の愛媛国体の終了後、長期修繕が行われるとのことでした。その間の代替施設は、近所の「椿の湯」です。道後に泊まらずとも外湯を楽しめる温泉ですので、是非に国体までに訪問してみて下さい。
道後温泉本館の一部です。
コンビニの一風景です。みかんの産地 愛媛ということで、パック飲料売場がこの通りポンジュースで占められています。それほどにみかん一色の地です。私は小学校高学年から中学校のはじめまで愛媛県民だったのですが、通学路で毎日みかん畑を眺めていましたし、給食とは別にポンジュースの三角パックが週数回配られ味わっていました。甘酸っぱい思い出に懐かしさをおぼえます。
【セキ美術館】
〒790-0848
・愛媛県松山市道後喜多町4-42 【map】
・TEL 089-946-5678
【開館時間】
・10:00~17:00
【休館日】
・月曜日 火曜日
・但し祝日の日は開館
【入館料】
・500円(大人)
・400円(大学生)
【アクセス】
・伊予鉄道市内線(路面電車)県民文化会館前駅・道後温泉駅より徒歩5分
※道後温泉駅より実際に歩いたところ、その通り約5分です。
※道後温泉本館からの距離も、徒歩約5分です。
※JR松山駅、伊予鉄 松山市駅、それぞれから道後温泉駅までは、約20分です。
※路面電車の運賃は、松山市内線 大人一律150円、「1Dayチケット」400円です。
【道後温泉本館】
〒790-0842
・愛媛県松山市道後湯之町5−6 【map】
・089-921-5141
【開館時間】
※浴室によって終了時間が違います。最も一般的な「神の湯階下」は、6:00~23:00(札止22:30)ですが、「霊の湯三階個室」は6:00~22:00(札止20:40)です。夜は少々早めに訪問したほうが良いと思います。
【休館日】
・年中無休(年末大掃除を除く)
※なお、訪問日のニュースで市長がおっしゃっていたのですが、2017年の愛媛国体の終了後、老朽対策・耐震化を目的とした長期修繕に入るそうです。その間の代替施設は、近所の「椿の湯」となります。
【入浴料金】
・400円~
・貸しタオル60円
【アクセス】
※伊予鉄道市内線(路面電車)道後温泉駅より歩いて約5分です。
※セキ美術館からの距離も、徒歩約5分です。
※JR松山駅、伊予鉄 松山市駅、それぞれから道後温泉駅までは、約20分です。
※路面電車の運賃は、松山市内線 大人一律150円、「1Dayチケット」400円です。
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