駅徒歩圏内、緑と建屋の白が印象的な当館、
立派で敷居の低い茶室がまた魅力的。
見たのはコレクション展で、
郷土所縁の品をはじめ、日本画、洋画、彫刻、絵本原画など
近現代作品が幅広く並ぶ。
多くの逸品から一品、
後藤純男先生の「淡墨桜」には、
圧倒的な生命感と神々しい花の光に包まれる思いがした。
/スグル
今回の1枚目は、刈谷市美術館で撮影した緑です。敷地内は緑に溢れており、このような姿が多々見られます。
綺麗でかわいい感じですよね。美術館の周囲で木々をしばらく眺めてしまいました。
刈谷市美術館の建屋です。
刈谷市美術館は昭和58年開館(建屋も58年竣工)です。今年(2013年)で30週年を迎えます。館内の古さは多少あるものの、外観については今でも充分いい感じです。大きな直方体に白い壁、真ん中が黒く抜け、柱が立っている。ここがいい!という箇所があるわけではないのですが、とにかくいい。好みの問題ですかね?
以下数枚、刈谷市美術館館内からの眺めです。こういった感じに緑の光る姿が見えます。しばらく眺めていたくありませんか?
こちらは茶室です。「佐喜知庵(さきちあん)」といいます。美術館のパンフレットなどには記載がありませんが、Wikipediaによると、この茶室は「トヨタグループ各社の寄付を受け建築された」そうです。あ、なるほど。だから「さきち」なんですね。おそらくですが、この茶室の名前は、豊田自動織機の発明者でトヨタグループの生みの親、「豊田佐吉(とよださきち)」からきているのだと思います(間違っていたらすみません)。
ちなみに刈谷は、国内最大の自動車部品メーカー「デンソー(トヨタ系ながら供給先は幅広い)」の本拠地です。駅前にド~ンとビルがあります。
佐喜知庵の玄関前です。立派な茶室ながら、敷居の高さをあまり感じさせません。
で、お邪魔することにしました。お茶の先生が点ててくださるお茶はお菓子と合わせて300円。畳の和室でのお茶席ですが、お作法を知らずとも大丈夫ですし、懐紙や楊枝がなくても問題ありません。ほっとするひとときを過ごして頂けると思います。なお、呈茶時間は13:00~15:30の間と短いのでご注意下さい(詳細は文末に記載)。
余談ですが、無作法ながら幾つもの美術館でお茶を楽しんできた私(思い出深き美術館を以下に挙げておきます)、この茶席を最後に、ついにお茶のお稽古を始めました。現在で数ヶ月。お茶を点てる事が楽しみな今日この頃です。
画壇の重鎮、後藤純男先生(ごとうすみお)の「淡墨桜(うすずみざくら)」です(※当画像はネットより拝借)。
以前のレポートの通り、先日、北海道富良野にある先生の美術館「後藤純男美術館」に訪問し、先生とお話ししてきました。その際に後藤純男美術館にはない作品についてのお話があり、この大作「淡墨桜」が挙がりました。
この淡墨桜は樹齢1500年以上の桜の樹で、岐阜県本巣市の根尾谷(ねおだに)というところにある巨木です。
この作品は幅が5m50cm近くもあります。その迫力はすさまじく、幹の立体感や生命感が圧倒的です。この画像では分からないのですが、あたりは金色の光につつまれ、まとう光で神々しく映っています。花は降り注ぐ光そのものです。よく見ると、新たに育まれている新緑も見る事ができます。当館一番人気も納得の逸品です。
当作品を拝見の際は、是非にしゃがんで眺めてみて下さい。大樹をそばで見上げる感覚を得ることができます。感動必至です。
こちらもお気に入りの逸品、籔内佐斗司(やぶうちさとし)「女の鎧-おつまみ」です(※当画像はネットより拝借)。
籔内佐斗司さんといえば「せんとくん」。ですが、そのイメージがきっと吹き飛びます。素材は、ヒノキ、うるし、顔料。同時に展示されていた「男の鎧-阿・吽」と共に、「肉体ってこんなに面白いのか!」と思わされる作品です。
愛知県豊川市出身、平川敏夫(ひらかわとしお)「暮雪叢林(ぼせつそうりん)」です(※当画像はネットより拝借)。
その白い風景には、張り詰めた緊張感と共に、白き美しさへの喜びも感じます。こちらも幅3m40cm近くある大作です。
斎藤真一「津軽よされ節「津軽悲歌」」です(※当画像はネットより拝借)。
斎藤真一さんといえば「赤」。悲しくも重くも美しい、強烈な赤色が作品に使われています。血というか命というか、生命の根源そのものです。あまりに鮮やかで、色そのものが光を放っているように見えます。是非にご覧頂きたい作品です。
なお、山形県天童市には、斎藤真一さんの作品がズラリと並ぶ美術館があります。作品に心動かされた方にはこちらもオススメです。
【刈谷市美術館】
〒448-0852
・愛知県刈谷市住吉町4丁目5番地 【map】
・電話: 0566-23-1636
【開館時間】
・9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
・月曜日
・祝日の翌日
・年末年始
・展示替え、館内整備日など
※詳しくは「休館日カレンダー」のページにてご確認ください。
【入場料(常設展)】
・無料
※特別展の入場料は展覧会ごとに変わります
【アクセス】
・JR東海道本線・名鉄三河線「刈谷駅」下車、南口から徒歩約10分
※実際に歩きましたが、その通り、徒歩約10分ほどです。
【佐喜知庵(さきちあん)】
【呈茶時間(ていちゃじかん)】
・13:00~15:30
【呈茶料】
・1服300円(お菓子付き)
※懐紙・楊枝などがなくても大丈夫です
※呈茶券は美術館で販売
【お休み】
・美術館休館日
・茶室貸切日など
※詳しくは美術館に問い合わせ下さい
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