建ち並ぶ和風建築、秀吉由来の城下町に位置する当館、
現代建築の建屋にも蔵の形が見える。
所蔵は大好きなラリックで、
アールデコに洗練されたガラス器が数十体並ぶ。
風切る姿のラジエーターキャップのうち、
チャボ「コックナン」には若冲を思わせる勢いを感じた。
/スグル
今回の1枚目は成田美術館のロビー(休憩所?)です。作品の鑑賞後、職員さんが「お茶をどうぞ」とこちらに導いてくれます。大きな窓越しにみえる扉は古い蔵のものです。ゆったりとソファーに座って眺めるお庭には特別な嗜好があります。
お茶は煎茶。干菓子とともに頂きました。抹茶ではなく大変気楽です。
机の上はこんな感じ。無垢な器に可愛さが詰まっています。
こちらがルネ・ラリックさん。私の大好きな宝飾デザイナー・ガラス工芸家です。当館は彼の作品を専門に扱っています。
数多くのガラス工芸家の中でもラリックの人気は高く、ガラス関連の美術館・展覧会では作品を数点は見かけます。ガラス作品を常設展示する北海道立近代美術館などにおいては、ラリックの作品「ダイス」の人気がトップクラスです。
しかし、ラリックを専門とする館は多くありません。私の訪問済み館(2014年3月現在500館以上)のうちでは、当館と、「箱根ラリック美術館(神奈川県 ※未レポート)」、そしてみちのくの小京都「角館」にある「大村美術館」(秋田県)だけです。
ルネ・ラリック「コックナン」(※当画像はネットより拝借)。
チャボ(ニワトリの一種)の形をしたカーマスコット(ラジエーターキャップ)です。これがボンネットの上で風を切ります。他の美術館ではよく「勝利の女神」を見かけるのですが、当館には当作品がありました。私だけかもしれませんが、この勢いには「伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)」のニワトリを感じます。実際、ラリックは(和製芸術の影響が多分にある)フランスの作家さんであり、日本の意匠を感じる作品が他にあるので、当作品においても本当に日本の影響があるのかもしれません。
※成田美術館の他の所蔵品についてはこちらをご覧下さい。
ルネ・ラリック「蜻蛉の精(とんぼのせい)」です(※当画像はネットより拝借)。ポルトガルのグルベンキアン美術館の所蔵品であり、当館で見ることのできない作品ですが、ラリックの作品の例として載せました。
ラリックの作家人生は大きく2つの時期に分かれます。前半のジュエリーデザイナー(様式:アール・ヌーヴォー)と、後半のガラス工芸家(様式:アール・デコ)です。うち、当「蜻蛉の精(手法:エマイユ(七宝 しっぽう))」はジュエリーデザイナーの時期にあたり、前述の「コックナン」や当館の所蔵品はガラス工芸家の時期にあたります。前半と後半とで作風はガラッと違うのですが、常人離れした感性を持っていらっしゃることは双方から伝わってくるものです。
成田美術館の外観です。パッと見た感じは現代建築なのですが、よく見ると形に蔵の面影があります。ただ、実際それを意図したのかどうかはわかりません。
秀吉由来の城下町、長浜です。和の伝統建築が立ち並びます。多数の旅行者で賑わう観光地です。
美術館は他に1館あります。2013年までは2館だったのですが、お気に入りだった黒壁美術館は閉館となってしまいました。すごく残念です。
長浜の名物の一つ、近江牛バーガーのお店「間家(あいだや)」での一コマです。将来の家庭環境に不安を覚えました。
【成田美術館】
・長浜市朝日町34-24 【map】
・TEL:0749-65-0234
【開館時間】
・10:00~17:00
【休館日】
・毎週月曜日(祝日の場合翌日)
・年末年始
・展示替のため臨時休館あり
【入場料】
・800円(一般)
・600円(学生)
【アクセス】
・JR琵琶湖線「長浜駅」より徒歩8分
※別のサイトでは徒歩10分とあります。私は写真を撮ったりしていたので10分少々かかりました。googleマップによると徒歩8分だそうです。
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